土づくり住宅

クラフトエース工法とは?

クラフトエース工法とは?
石油系の断熱材に頼らず、天然の土の長所を最大限に生かした、田中工務店のオリジナルの土造り工法です。
昔ながらの土壁の持つ調湿効果の良いところを生かして、現代の生活をより快適に自然に負荷をかけない家は造れないだろうか?
土蔵造りをヒントに、夏はひんやり冬はほっこりを実現しました。
調湿効果に加えて、より断熱性能・ほどよい気密性能を高める改善、施工性を高める努力を行ってまいりました。

2025年4月1日よりの省エネ基準適合義務化に向け、これまでの土壁造りに付加断熱をする設計とし、さらなる快適性をご提案しております。

上棟(屋根土入れ)

ここで屋根に土を入れます。

熱や冷気は屋根からやって来ます。
そこを土蔵屋根の原理でしっかりとガード。
熱を鈍く室内に伝えるので、直射の影響を受けにくいのです。

特に夏の遮熱効果は施工中の段階でも格段に違いがわかります。

木小舞打ち

筋交(すじかい)と貫(ぬき)を入れたら土壁の下地になる木小舞を打ち付けます。

竹小舞でなく、杉材の(12ミリ×9ミリ)の細木を小舞として使っています。
昔ながらの竹小舞に比べ、強度があるので表塗りが乾燥しない段階で、裏返し塗りをすることができます。

荒壁塗り(壁土塗り)

元来、下塗りといわれる工程です。
クラフトエースではこれが呼吸する断熱材になります。

コテで荒壁(土・わら)を表裏から塗りこんでいきます。
裏返し塗りをすぐに出来ることで、表裏の土は一体になり、地震の揺れで片面がはがれ落ちることを防ぎます。

昔はどこの家も家を建てるために屋敷内に土を寝かせておいたものだといいますが、現在土はその土地土地のものを使っています。

床土(床土入れ)

荒床を敷いたら、その上に新聞紙を敷き砂壁(砂・すさ)を流し込んでならしていきます。
1階の床、二階の床ともびっしり敷き詰めます。
1階の床は特に断熱として、2階の床は階下への防音の役割があります。

乾燥

気候・風通りの条件によって乾燥期間は変わってきます。
この期間も含め、全体工期の余裕は半年はほしいところ。
末永く住む家、何十年を思ったら、多少のじっくり工期は楽しんで待てます。

土の良さって?

土の調湿効果

<涼しさの理由は湿度にあります>

暮らしの上でちょうど良い湿度というのは通常50パーセントから60パーセント。
夏の暑い日、天気予報の気温が同じでもなんとなく暑い日、それほどでもない日があります。
土は室内の湿気を吸収してくれるので、土壁の家の空気はサラリとしているのです。
反対に乾燥する冬は、夏場吸収した湿気を放出して過乾燥を防ぎ空気に潤いを与えてくれます。
最近では高気密工断熱化が進み、この過乾燥によるアレルギーが問題になっています。

土の蓄熱性能

<土壁は結露を知りません>

窓ガラスがびしょびしょ、押入れにカビ。
結露は外気と内気の温度差によって抱えきれなくなった水分が目に見えてきたものです。
温度差のより激しいところに発生していた結露ですが、最近では開口部(サッシ)の性能が上がり、結露は見えない壁の中へと住処を変えて行っています。
土や木は呼吸しているのでそういった空気中の余分な水分を吸収して結露を防いでくれます。

土の防音効果

<気になる騒音はおまかせ>

土壁プラス二重サッシの効果で、通りの激しい立地条件でも外の音が気になりません。
「窓を閉めていたら、近所の火事もわからなかった・・・」と言われる程、外音を通しません。
土の吸音効果は工事中でもわかります。
大工さんの釘打ち音が他の工事現場に比べ響きません。
反対に中の音も壁が吸音するので、音響効果は抜群。
ピアノ演奏、オーディオ鑑賞。
音にこだわりのある人にはうれしいひとつです。

<こどもの下もうるさくない>

間取りで気にしがちな、階下への音。
二階の床に土を入れることで、階下への音は減音します。
耳障りな高音が土を通して低音に変わるため、家具の引きずり音や物の落下音が気になりません。
歩いた時の足の裏が張り付くような、ずっしりした感触です。

土の防火性能

<土壁は防火壁として有効>

建築基準法で、土塗り壁は防火構造として認められています。
大事な家財が、土蔵に収納されたのをみれば土壁の耐火性は一目瞭然です。
また近年、日本の美しい町並みの保存の観点からも、強度と合わせ防火性能を実証するための実験も進められ、新しく法に認められています。

<やっぱり木の外壁>

自然の中へしっくり溶け込み、街並みを美しく感じさせるのはやっぱり木の外壁。
家族の帰りを優しく出迎えてくれます。
延焼への規制で防火性能を求められる場所も、土塗り壁なら木下見でOK。

土のエコ性能

<土は自然に還ります>

万物の生は土に宿り、土に還る。
自然界の営みを考えると何故土なのかが見えてきます。
将来解体されゆく建物を想像し、それが全て廃材となるのはとても悲しいことです。
製品の製造過程から廃棄物の処理過程まで、なるべく環境を痛めないひとりひとりの配慮は確実に必要です。
次世代に受け継ぎたいのは、建物ばかりでなく自然の循環性も伝えて行きたいものです。

<クラフトエースに学ぶこと>

本当に長持ちする家とはどういう住まいなのか?
永く住まう家は建物だけでなくそこに住む人の暮らし考にもあらわれます。
家を一緒に暮らしていく生き物と思えたとき、家族が木を慈しみ愛着を持って共に月日を重ねることができるのだと思います。
原木が人の手によって家の一部になり、そこに土が塗り重ねられていく。
クラフトエースのゆったりとした自然に正直な工程を見ていると、人生観までも変わるといわれます。